by
森安 元気
今日のスタンダード、340人のうちの八傑が遂に決まった。
シングルエリミ進出を決めるバブル・マッチをトリプル・マリガンから劇的に制している相澤。
そして今回、明確に"勝ち組"の一つである純正の青黒コントロールを駆る稲川。
手番を選ぶ権利を持っている3位の相澤が、先手。
お互いに7枚をキープでスタート。
《豊潤の神殿》の占いで先を見通した相澤。
稲川の第1セット・ランド《陰鬱な僻地》に対して「青黒、今日初めてですよ」とこぼした。
《森の女人像》のマナ加速から《ゴブリンの熟練扇動者》と《豊潤の神殿》のダブル・アクションで主導権を獲りに行く相澤。
稲川も、そこまでが既定の行動であるように、《胆汁病》を浴びせる。
(―…今日この会場だけで何体の《ゴブリンの熟練扇動者》が《胆汁病》の病に伏したのだろうか。)
そのまま、パーミッション・コントロールとして正しき"セットランド・ゴー"の稲川。
次なる《世界を喰らう者、ポルクラノス》は《英雄の破滅》。
このテーロス世界を代表する怪物も、良くよく破滅されている。
2体目の《世界を喰らう者、ポルクラノス》も《無効化》され、《嵐の息吹のドラゴン》に《英雄の破滅》されて相澤、未だ1点も通せない。
土地とマナ・クリーチャーばかりを続ける相澤のハンドに《思考囲い》が突き刺さる。
示されたハンドは《火口の爪》2枚。
トップに潜んでいたコミ・コン限定の黒く美しき《紅蓮の達人チャンドラ》は《解消》。
そこから攻め手を続けられない相澤。
稲川が《ジェイスの創意》から《悪夢の織り手、アショク》を展開。
2体の《クルフィックスの狩猟者》を食べると、相澤、虎の子の《火口の爪》X=5でアショクを焼く。
続いて《嵐の息吹のドラゴン》。
これへのスタックは直接の打ち消し呪文ではなく、《ジェイスの創意》。
カウンターを呼び込めない。アタックも通り、初めてのボディ・ダメージ。
《時を越えた探索》で探し出した《命運の核心》がドラゴン・クリーチャーを破壊する。
新たなる《悪夢の織り手、アショク》、《ゴブリンの熟練扇動者》を追放。
チャンドラと同じくコミ・コン版の《世界を目覚めさせる者、ニッサ》は《軽蔑的な一撃》。
妖艶な漆黒の女性プレインズ・ウォーカーたちだが、中々その活躍の機会を見いだせない。
ついに《悪夢の織り手、アショク》が《ゴブリンの熟練扇動者》を吐き出した。
受け止める《世界を喰らう者、ポルクラノス》を《解消》。
《嵐の息吹のドラゴン》に《残忍な切断》。
相澤にとっては嫌な、稲川にとっては狙った、かみ合いが続き、《ゴブリンの熟練扇動者》だけがトークンを作り出していく。
相澤の《ゴブリンの熟練扇動者》には即座に《胆汁病》―…なのだが、ウィルスを撒いて稲川の操るゴブリンも溶かして消した。
やがて《悪夢の織り手、アショク》が食べていた《世界を喰らう者、ポルクラノス》が生まれる。
世界が、怪物に食べ尽くされる。
相澤 0-1 稲川
Game 2
相澤がサイドボーディング中に《危険な櫃》のオラクルを確認。
(おそらくは《世界を目覚めさせる者、ニッサ》の作ったクリーチャー・土地が範囲に含まれるかの確認だろうか)
お互いに7枚となったをキープ。
ゲームは非常にゆったりと始まった。
4マナにたどり着いた相澤の初動が《灰雲のフェニックス》。
同じくこれを《解消》したのが稲川の初動となった。
返しのターンの《悪夢の織り手、アショク》の能力はクリーチャー・カードを奪わない。
稲川の立ちマナ(黒マナ1つと墓地1枚)を確認してから《嵐の息吹のドラゴン》を繰り出す相澤。
二度のアタックを《悪夢の織り手、アショク》に向け、打ち倒す。
《世界を喰らう者、ポルクラノス》も通る。
ドラゴンとノン・ドラゴンを並べることで、1対多を用意に交換する《命運の核心》に構える。
今度は、稲川が怪物の爪と咆哮に沈んだ。
相澤 1-1 稲川
稲川、素早くキープを宣言。
相澤も合わせての7枚キープ。
黒系コントロールが誇る1ターン目アクション、《汚染された三角州》で《沼》を探してからの《思考囲い》。
相澤の土地が少なく初動の鈍いハンドから《クルフィックスの狩猟者》が落ちる。
そのままお互い暫く動きは少ない。
4ターン目の《ゴブリンの熟練扇動者》には、《胆汁病》。
3枚の土地で止まっている相澤。変異・クリーチャーを送り込む。
《英雄の破滅》でめくった表は《灰雲のフェニックス》。
返し、念願の4枚目の土地から2体目の《灰雲のフェニックス》。《軽蔑的な一撃》される。
《世界を喰らう者、ポルクラノス》が《英雄の破滅》されると、一気に稲川の手番を迎えた。
《時を越えた探索》。3枚目の《思考囲い》が《嵐の息吹のドラゴン》を1枚封じる。
《悪夢の織り手、アショク》。クリーチャーは落ちないものの、《紅蓮の達人チャンドラ》を落とした。
《エルフの神秘家》や自らの《思考囲い》、フェッチ・ランドの起動などによって既にライフを11にしている稲川に対し、相澤は勝ち筋を決めた。
《悪夢の織り手、アショク》を無視し、《稲妻の一撃》をプレイヤーへ。
《嵐の息吹のドラゴン》《解消》から、エルフアタック、残り7。
《悪夢の織り手、アショク》のプラスは《世界を喰らう者、ポルクラノス》と《エルフの神秘家》。
《エルフの神秘家》アタックを続ける。稲川、残り6。
稲川。《光輝の泉》でライフを守り、《悪夢の織り手、アショク》からの《世界を喰らう者、ポルクラノス》でアタックを遠ざける。
相澤のマナ・ソースは土地8と《エルフの神秘家》。稲川、相澤ともにライフは残り8。
相澤は《火口の爪》を引くことと打ち消し呪文のない可能性に、ひたかける。
稲川、《悪夢の織り手、アショク》更にマイナスで《エルフの神秘家》を呼び出し、《世界を喰らう者、ポルクラノス》の怪物化のための緑マナを用意する。
どうあっても、次が相澤にとってのラスト・ドローとなった。
そして、《世界を喰らう者、ポルクラノス》が怪物化(X=3)すると、ゲームを食べつくした。
相澤 1-2 稲川
稲川Win!
1時間を越す非常にロング・ゲームとなった準々決勝、相澤対稲川。
(決勝トーナメントは時間無制限)
共に死力を尽くし白熱した、正にフルカウントと言えるゲーム展開となった。
会場の時間の都合もあり、準決勝以降は翌日へと持ち越されたことが、準々決勝を乗り切った稲川と他の3人にどう影響するのか。
4人とも少しでも今日1日の疲れを取り、万全の態勢で準決勝へと挑んで欲しい。
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