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BMOスタンダード Round 6 松岡 奈生詩(東京)vs 平田 弘達(神奈川) 
 

ここまで5戦15点を稼いできた勝利者たちに、二つ目の節目が訪れる。
このマッチが勝者に与える"6勝0敗"の誉れは、残り3戦に自信を与えてくれるはずだ。
土踏まずのまま上を目指す二人の視線が、卓上で交差する。



Round 5のビデオカバレージで川崎のアブザンを打ち倒している松岡(右)は"スゥルタイ・コントロール"だ。
《血の暴君、シディシ》や《エレボスの鞭》を採用せず、《悪夢の織り手、アショク》や《精霊龍、ウギン》でゲーム・メイクしていく青黒コントロールの派生型である。

 平田は、運命再編で《前哨地の包囲》を得たことでトップメタに躍り出た"赤白ミッドレンジ"。序盤中盤終盤と隙のないビートダウンと火力を、松岡はしのぎ切れるか。


Game 1

松岡がダイス7対6で先手を取るも、悩むことなくマリガン。
平田は後手を7枚キープして試合に挑む。

《疾病の神殿》《ラノワールの荒原》と始める松岡。
平田はスムースに《道の探求者》《ゴブリンの熟練扇動者》の黄金パターンを築く。
これに《英雄の破滅》で応えるところも、最近のスタンダードを象徴する動きだろう。
平田が休むことなく送りこんだ2体目の《ゴブリンの熟練扇動者》も、《胆汁病》に伏せる。

2体のゴブリンを腑分けして、ようやく松岡の攻め手である《悪夢の織り手、アショク》。
1匹の《嵐の息吹のドラゴン》を悪夢に追い込んだ。

平田も《紅蓮の達人チャンドラ》と《道の探求者》の果敢能力を合わせ、《悪夢の織り手、アショク》の忠誠値を減らし、元々は自らのトップであった脅威を遠ざける。

生き残った《悪夢の織り手、アショク》がもう1体の《嵐の息吹のドラゴン》も夢に誘う。
但し、《紅蓮の達人チャンドラ》と《道の探求者》のタッグに対抗できず、《悪夢の織り手、アショク》がドラゴンを吐き出す前に撃墜されてしまった。

平田、更に《軍族童の突発》のゴブリン・トークンを並べて、単体除去への耐性を高める。

松岡が合わせて4体のアタックに堪らず《スゥルタイの魔除け》をドロー・モードで唱えるが、残念ながら解決策は引けず。

 平田が《魂火の大導師》を続けたことで、次のターンからの《かき立てる炎》の再利用の可能性もにおわせた。

松岡のメイン。探索6から5マナを残し、《時を越えた探索》。
 自身の命運を託す形で《命運の核心》で戦場を流すも、《紅蓮の達人チャンドラ》の奥義が三条の《稲妻の一撃》を呼び込んだ。

松岡 0-1 平田


Game 2

松岡、再びの先手、マリガン。
平田は7枚を力強くキープ。

《華やかな宮殿》、《風に削られた岩山》のタップイン・スタート。

コントロールである松岡が先に動いた。
《島》から《サテュロスの道探し》。
土地を引き込めば手札を減らさずにブロッカーを用意でき、なおかつ土地を伸ばせる。
スゥルタイ・コントロールが使う数少ない(あるいは唯一の)クリーチャーだ。

平田の《ゴブリンの熟練扇動者》が構わず駆け出す。
これは2体目のトークンを生み出す前に《胆汁病》で消え去るが、同じフェイズ中にハンドから《ゴブリンの熟練扇動者》が復活する。
ここは溜めていた《悲哀まみれ》で場を一掃。

平田の攻めの番が終わり松岡の手番へと―…は、ならない。

タルキール覇王譚が意味するところの覇王。
物語の主人公―《龍語りのサルカン》が龍変化の魔法と共にあらわれる。



物語のサルカン同様にタイム・スリップを形容する《時を越えた探索》で解決策を探しにいく松岡。
だが、《龍語りのサルカン》のアタックを止められない。



平田、《灰雲のフェニックス》も戦線を追加。通る。
そのまま《残忍な切断》で一度目の生命を切り刻まれたフェニックスだが、復活の時を虎視眈々と狙っていた。


 松岡。僅かにマナを残して、"バナナ"。ではなく、《黄金牙、タシグル》。
タルキールのエピソード中に、《龍語りのサルカン》の"サルカン"が"高位のカン"という意味であると《龍爪のヤソヴァ》が語った。

 "高位のカン"が真に意味するところは不詳のままだが、今は戦場で、スゥルタイのカンである《黄金牙、タシグル》とのカン同士のにらみ合っている。

 だがゲームを決めたのは盤外の呪文であった。
《黄金牙、タシグル》の着地の後、平田は《稲妻の一撃》《かき立てる炎》《紅蓮の達人チャンドラ》と続けざまに、火炎を噴きつける。

松岡 0-2 平田


平田「スズメバチ(《女王スズメバチ》)が出てこなかったですね」
松岡「入ってないんですよ」
《精霊龍、ウギン》をその枠にしている松岡。

動くパターンによってはシディシ・ウィップとの区別がつけにくいスゥルタイ・コントロール。
赤白ミッドレンジ側も、ジェスカイ・テンポと見紛う動きを取ることがある。
 
 環境理解度も強さの一つであり、リストの差は僅かながら、大きくゲームに影響する。
どこまで踏み込んでプレイすべきか。サイドボードすべきか。
そしてそれがどれだけ功を制するのか。

 目まぐるしく姿を変える環境に、絶対的な正解はないのだろう。


平田 Win!
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