By Daisuke Kawasaki
ここまで三連勝でフィーチャリングテーブルに呼び出されたのはこの2名。
千葉の大野 和宏と、ご存知、八十岡 翔太だ。
普段LMCなどを中心にプレイしているという大野だが、最近は仕事が忙しくあまりマジックをプレイする時間をとれないという。
大野 「最初、アブザンデッキを調整していたんですけど、どうしてもこのデッキに勝てなかったんですよね。どうして勝てないのかもわからない状態だったので、このデッキを使うことにしました」
といいながら使用するのは、最近急上昇中の赤白ミッドレンジ。
対する八十岡のデッキは現時点では不明だが、内容を知る渡辺
雄也によると「今までとは別の意味で、『ヤソ!』としか言いようの無いデッキ」とのことなので、内容に期待が高まる。
現環境期待の旗手である赤白ミッドレンジを、「ヤソ」デッキは打ち倒すことはできるのか?
Game 1
ダイスロールで先手は大野。
八十岡 「構築だとダイスロール、本当に勝てないんだよね」
といつもの八十岡らしさを発揮したところで、互いにマリガンなくゲームスタート。
大野が《山/Mountain》を置く一方で、八十岡は《神秘の神殿/Temple
of Mystery》をセットして占術。さらに大野は《平地/Plains》をセットしたものの、アクション無しでターンエンドする。
八十岡も続いて《奔放の神殿/Temple of Abandon》セットという動きだったことで、このゲームの最初のアクションは大野の《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz,
King of Oreskos》となる。返しで八十岡は《開拓地の野営地/Frontier
Bivouac》をセットしつつ、《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw
Mystic》をプレイする。
大野は《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》をプレイし、さらに《稲妻の一撃/Lightning
Strike》で《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw
Mystic》を除去。アクション数で差をつけ、絆魂でライフレースを有利とする。
八十岡は《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》をプレイして盤面を保ちにかかる。大野は、《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz,
King of Oreskos》の警戒を利用して《かき立てる炎/Stoke
the Flames》を《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》へと撃ちこむのだが、ここには八十岡のシークレットテクである《かき集める勇気/Gather
Courage》がささり、ギリギリ盤面の維持に成功する。
召集呪文同士の応酬!
ここで《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos,
World Eater》をプレイし、逆転への糸口を求める八十岡なのだが、大野はさらなるプレッシャーとして、《灰雲のフェニックス/Ashcloud
Phoenix》をプレイする。八十岡はここへ《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos,
World Eater》の怪物化でのダメージを打ち込み、さらに変異として正体を隠したところへ《稲妻の一撃/Lightning
Strike》を打ち込んで、やっと盤面を均衡状態へと持ち込む。
大野は、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》をプレイして押し切るプランを立てるが、ここには2枚目の《稲妻の一撃/Lightning
Strike》。なかなか主導権を取れない。
だが、八十岡が《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos,
World Eater》を貼りなおし怪物化能力を再び使用することで盤面を制圧しようかというそのタイミングで大野は《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath
Dragon》を盤面に送り込み、一気にライフを詰め、ついに主導権を取り返す。ここで八十岡のライフは4となり、飛行を止める方法がない八十岡は凌ぐすべを求めて、ドローをする。
ここで引き当てたのは、《龍爪のヤソヴァ/Yasova Dragonclaw》!ヤソが《龍爪のヤソヴァ/Yasova
Dragonclaw》!と言いたかっただけなんじゃないかという空気が漂うデッキではあるが、しかし、《龍爪のヤソヴァ/Yasova
Dragonclaw》がヤソに駆けつけてくれた!
八十岡は戦闘開始時に、大野の《魂火の大導師/Soulfire
Grand Master》を奪い、絆魂で2点のライフを得て、続くターンのトップデックにかける権利を得る。
だが、そんな《龍爪のヤソヴァ/Yasova Dragonclaw》の頑張りも、大野の《稲妻の一撃/Lightning
Strike》で無となるのだった。
大野 1-0 八十岡
というわけで、渡辺おすすめの八十岡新デッキは、「ヤソの《龍爪のヤソヴァ/Yasova
Dragonclaw》デッキ」だった。出落ち感のあるデッキではあるが、《かき集める勇気/Gather
Courage》の採用など、随所にアイディアの光るデッキである。環境でも随一のテンポ要素を持つティムールカラーだけに、こういった手数を増やす工夫が入っているのは八十岡ならではの構築と言えるだろう。
だが、今回は大野の4ターン目に有効な2アクションを取られてしまったため、逆にテンポ負けする結果となった。
八十岡 「白赤ミッドレンジは軽い除去でしのいでくるから、そもそも苦手なんだよね」
といいつつ、《再利用の賢者/Reclamation Sage》などのテンポを取り返せるカードを入れて、Game
2にのぞむ。
Game 2
先手の八十岡は少考の末にマリガン。一方の大野は7枚をキープ。
八十岡は2ターン目に《荒野の後継者/Heir of the
Wilds》をプレイ。大野はこれを《岩への繋ぎ止め/Chained
to the Rocks》で対処するが、八十岡はさらに《龍爪のヤソヴァ/Yasova
Dragonclaw》を戦場に送り込む。しかし、ここで2枚目の《岩への繋ぎ止め/Chained
to the Rocks》。
2体の脅威をつなぎとめた上で大野は《灰雲のフェニックス/Ashcloud
Phoenix》を戦場に送り込むが、八十岡は負けじとここには《マグマのしぶき/Magma
Spray》。
と、攻防が成立したのはここまでだった。
そもそも、序盤のテンポが重要な八十岡のデッキにとって、序盤に1アクション同士のやり取りをしているのは戦略的には不利な状態である。
だが、そんなロジックすら無意味とばかりに、大野が2ターンにわたって《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath
Dragon》を戦場に送り込むと、土地が止まり気味の八十岡には対処するすべはないのであった。
大野 2-0 八十岡
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