By Daisuke Kawasaki
BigMagicOpenの併催イベントとしておなじみとなった、StarCityOpenInvitational。
今回は、レガシーで84人の集客を集めたイベントとなった。
ここでは、そのヘッドジャッジを務めた『アラジン』こと荒井
仁氏にインタビューをした。
-- 本日はヘッドジャッジ、お疲れ様でした。
荒井 「どうもありがとうございます」
-- しかし……こういう言い方もおかしいかもしれませんが、アラジンさんにヘッドジャッジインタビューをする、みたいな日が来るとは思いませんでしたね。
荒井 「いや、自分でも思います。公認ジャッジになって10周年、ということで今年祝ってもらったのですが、そのうち、レベル1だったのが9年間。レベル2ジャッジとして活動をはじめてからは、まだ1年しかたっていないわけですから」
-- かなり最近レベル2になられたのですね。ジャッジキャリアが長い状態でずっとレベル1だったとなると、なんらかのキッカケが無いと改めてレベル2になろう、とも考えにくいかと思うのですが、どんなキッカケでレベル2になることにしたのですか?
荒井 「レベル2になったのは、昨年の1月なのですが、ちょうどその頃、プロツアー予選(PTQ)を提携していただいている本八幡のカードショップ、アトラスさんで開催するにあたって、ヘッドジャッジがレベル2じゃないといけなかったんですよね」
-- で、そこでヘッドジャッジをやるためにレベル2の資格をとられたと。
荒井 「いや、最初は違うんです。最初は、ヘッドジャッジをやるにはレベル2以上のジャッジ資格が必要だな、ということで、梅咲さんにお願いしたんです」
-- それがキッカケだったわけですね。
荒井 「はい。そこで梅咲さんに『アラジンさん、今後もアトラスさんとプロツアー予選をやっていくなら、アラジンさん自身がレベル2にならないといけないですよ。僕がやりますから、レベル2の試験を受けてみませんか?』と言われまして、いい機会だと思ってレベル2の試験を受けさせていただいた次第です」
-- なるほど。レベル2になって、大きく変わったことはありますか?
荒井 「タイミングの問題もあると思うんですが……実際、自分が9年間レベル1をやっていた時には、それほどレベル1とレベル2で違いがあるという印象はなかったんですよね。ジャッジ資格を持っていない、いわゆるレベル0ジャッジとレベル1ジャッジの間にはすごい開きはありましたけど、レベル1とレベル2の違いというのは実感していなかった部分があります」
-- それが今は違う、と。
荒井 「そうです。先ほどのPTQのヘッドジャッジをやれる、っていう部分ではあるんですが、今年からプロツアー予選のシステムが大きくかわって、プロツアーの予備予選というのが開催されるようになったんです。で、そのヘッドジャッジもレベル2以上が必要ということで、レベル2という資格が必要とされる機会が大きく増えました」
-- 実際に、アトラスさん以外でもヘッドジャッジをやる機会は増えたのですか?
荒井 「そうですね。常連さんの縁でPPTQを手伝わせていただいたのをはじめとして、金澤さんや夏目さんと連携して、主に北関東のPPTQのヘッドジャッジをさせていただいていますね」
-- なるほど。先ほど少し話題にもでましたが、そういう意味ではレベル1とレベル2の違いが明確になってきていると。
荒井 「おそらく、なんですが、グランプリの募集もレベル1よりはレベル2の方が採用されやすいんじゃないかと思いますね。自分のように、グランプリでジャッジするのを楽しみにしているみたいなタイプにとっては、それもレベル2を取った大きなメリットでしたね」
-- グランプリで各地を回る楽しみがある、というのはプレイヤーだけでなくジャッジの方々も同じですもんね。
荒井 「そうですね。Play
the Game,See the WorldならぬJudge
the Game,See the Worldですね。普段なら行かないだろう国内の色々なところにジャッジでまわれたのはいい思い出です。まだ、語学に不安があるので踏み出せていないのですが、いつかは海外のグランプリにジャッジとして行ってみたいですね」
-- プレイヤーとしては海外グランプリ参戦経験はあるのですか?
荒井 「ありますよ。それこそ、先日開催されて、過去最高の4500人が参加したグランプリ・ラスベガスにも行ってきましたよ!」
-- おお、それは羨ましいですね!
荒井 「プレイヤーとしてだろうが、ジャッジとしてだろうが、マジックを楽しむ、という意味では同じだと思いますよ」
-- さて、先ほど、レベル2になるにあたってのエピソードをお聞きしましたが、そもそもレベル1ジャッジになろうとしたキッカケってなんだったんですか?
荒井 「自分は今、Chiban
Dragon Conventionという大会を主催しているんですが、2代目なんです。初代は、池田
啓さんっていう強豪プレイヤーだったんですが、仕事の都合で続けられなくなるとのことで、主催を譲っていただいて。で、その時はいわゆるレベル0だったんですよね」
-- で、必要になったからジャッジ試験を受けて、ジャッジ資格を獲得した、ということですか。
荒井 「そうなんですけど、そう簡単には行きませんでしたね。プロツアー東京でジャッジ試験を受けたんですが、もう、全然ダメで……それで、もっと勉強をしないといけない!ってことで色々な大会を手伝いに行ったんです」
-- プロツアー東京当時、というとどのあたりの大会ですか?
荒井 「もちろん、千葉ということで、今はウィザーズにいる宮坂さんが当時主催していたLMCや、若月さんが埼玉でやっていた龍王戦、あと当時はレベル0ジャッジでも手を挙げれば採用してもらえたので、ホビージャパン主催の大会にも参加させてもらいましたね。そこで会田さんや、鈴置さんとかに指導してもらいましたね」
-- その経験を元に、ジャッジ試験に合格したと。
荒井 「そうですね。最終的にジャッジ認定をしていただいたのは若月さんなんですけど、自分には師匠と呼べるジャッジがたくさんいるんですよね。先ほど名前をあげた方の他にも、LMCの川島さんにもお世話になりましたし、さっき名前があがった梅咲さんも兄弟子にあたりますからね」
-- 今から見ると、もう、レジェンドと言っていい時代ですね。
荒井 「えぇ。自分はDCIトーナメントセンターに通っていて、当時のいわゆる自販機組っていうトッププロ達の歴史はカバレージなどで語り継がれていますけど、特にどこかに属していたわけではないので、外から色々な経験を積めたのはよかったですね。それこそ第5回東京大会とか参加してますからね」
-- そのころのジャッジと比べて今のジャッジが違うことってありますか?
荒井 「当時との違いですか……参加者とジャッジの人数比で言えば、当時の方がジャッジの比率は高いんですけど、今はジャッジの人数そのものが増えてはいるので、そういう意味でチームでちゃんと回せれば進行は楽になっているんじゃないでしょうか」
-- なるほど。フロア進行のスキームは進化し続けているんですね。
荒井 「あと、先ほどレベル1とレベル2の区分けがしっかりした、っていう話をしたんですけど、そもそも、レベル0とレベル1が差がありすぎて、レベル1とレベル2はあまり差がないというアンバランスな状況そのものが是正されたというのが正しくて。なので、昔に比べると、レベル0、つまりジャッジ志望から認定ジャッジになるのは各段にやりやすくなったのではないでしょうか」
-- たしかに、昔に比べるとレベル1ジャッジが増えた印象はありますね。
荒井 「そうですね。それこそ関東だと、梅咲さんとスズケンさんとレベル3が二人もいますからね。ジャッジになりたいと思っているなら、環境は整っていますね」
-- 魅力を感じたならやってみるべきだと。
荒井 「そうですね。自分たちの世代なんか、『関東おじいちゃん会』なんて若いジャッジには揶揄されますけど、世代交代がうまくいっている証拠ではありますし、現時点ではまだまだ現役で大型イベントのジャッジを続けていきたいと思っていますけど、前線を引退した後も、趣味として続けられるものだと思います」
-- それでは最後に、このインタビューを呼んだ方にメッセージをお願いします。
荒井 「外から見ると、ジャッジに怖い印象をもっている人はいるかもしれませんが、実際はすごく楽しい世界なので、興味があるならぜひとも飛び込んでみてもらいたいですね。それこそ、プレイヤーを続けることにマンネリ感を感じていたとしてもマジックとのつきあいかたは沢山ありますから。是非、興味を持っていただきたいです」
-- 本日はお忙しい中、ありがとうございました。
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