by Shiro Wakayama
BMOレガシーも、後半戦、第6ラウンドまでやってきた。
ここまで全勝をキープしている4人のうち、2人のマッチをお届けしよう。
お互いにURDelverなのだが、小野木のデッキは、黒いカードがタッチされているようで、同系に強いような構成になっているようだ。
最近トーナメントでも見かけることのある、このシークレットテク。どのようにゲームの結果に絡んでくるだろうか?
Game1
ダイスロールで勝利したのは小野木。互いに7枚の手札を逡巡なくキープ。
ファーストアクションは、後手佐野の《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear(KTK)》。これを《目くらまし/Daze(NEM)》ではじく小野木。
ゆっくりと土地を並べ、相手の出方を窺う小野木に対して、1ターン目に続き2ターン目には《思案/Ponder(M10)》から《ギタクシア派の調査/Gitaxian
Probe》で、手札を充実させつつ相手の手札を確認する佐野。まだイニシアチブを握るに至らないと判断したのか、そのままターンを返す。
互いに《渦まく知識/Brainstorm》で手札を整理、強化したのち、再び佐野がゲームの主導権を握るべく、《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear(KTK)》をプレイ。既に4ターン目に入っていることもあり、これを通し、アタックが通って、小野木のライフは17。
小野木もこれに対して、動く。《若き紅蓮術士/Young
Pyromancer(M14)》をプレイするが、これを佐野《Force
of Will(ALL)》→小野木《目くらまし/Daze(NEM)》→佐野《Force
of Will(ALL)》(2枚目)と激しい応酬をし、《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear(KTK)》が傾けているほんのわずかな盤面の優位を巡った攻防に焦点が当たる。
この応酬でノーガードとなった小野木のスキを佐野は見逃さない。返しのターンに佐野が《若き紅蓮術士/Young
Pyromancer(M14)》をプレイ、これに対してすぐに《稲妻/Lightning
Bolt(4ED)》で対処しようとする小野木だが、《目くらまし/Daze(NEM)》で除去は未遂に終わり、佐野の場にはトークンが。
互いに手札は2枚となり、佐野が押し切るかと思われるが、ここで小野木の場には、シークレットテクである《黄金牙、タシグル/Tasigur,
the Golden Fang(FRF)》が探査によってマナコストを軽減しつつ登場。デッキの構成上、カウンターできなければ1:Xの交換を強いる上に、ぐずぐずしているとアドバンテージを供給しだすこのクリーチャーを前に、佐野の陣営は足踏みしてしまう。
《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden
Fang(FRF)》の横にさりげなく登場していた《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear(KTK)》がダメージを刻み、佐野のライフは10まで落ち込む。
さらにダメ押しとばかりに小野木は《ギタクシア派の調査/Gitaxian
Probe》で相手の手札を確認の上、《時を越えた探索/Dig
Through Time(KTK)》を打とうとすると、佐野の手札も《時を越えた探索/Dig
Through Time(KTK)》。佐野は挽回の一手を。小野木は駄目押しの一手を7枚から探しにいくのだが、そもそも4/5というサイズのクリーチャーが場に出てしまうと、URというカラーでは対処する手段があるわけもなく。
小野木 1-0 佐野
Game2
お互い7枚のハンドをキープし、再び佐野の《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear(KTK)》からゲームははじまる。
場にクロックが出てしまうと、後手後手に回らざるを得ない為、《Force
of Will(ALL)》で打ち消す小野木。
《思案/Ponder(M10)》を2連打して手札を拡充していく小野木に対して、佐野は《渦まく知識/Brainstorm》を打つが、土地にたどり着けず、1ランドストップしてしまう。
何とか《思案/Ponder(M10)》で2枚目の土地にたどり着いた佐野。《渋面の溶岩使い/Grim
Lavamancer(TOR)》をプレイして、プレッシャーをかけるが、これは即、《二股の稲妻/Forked
Bolt》で対処されてしまう。
《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で佐野の手札を確認する小野木。
公開されたのは、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》、《稲妻/Lightning
Bolt(4ED)》、《発展の代価/Price of
Progress(EXO)》、《Force of Will(ALL)》、《二股の稲妻/Forked
Bolt》という手札で、リソース的には対処可能なものの、1:2交換を強いる《黄金牙、タシグル/Tasigur,
the Golden Fang(FRF)》をGame1に続き戦場に登場させ、さらに、《秘密を掘り下げる者/Delver
of Secrets》でクロックを強化する。
《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden
Fang(FRF)》は何とか、《二股の稲妻/Forked
Bolt》+《稲妻/Lightning Bolt(4ED)》で対処し、《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear(KTK)》をプレイ。さらに、、《秘密を掘り下げる者/Delver
of Secrets》も、《紅蓮破/Pyroblast(ICE)》で対処して、手札のリソース差はあるものの、盤面を《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear(KTK)》分有利。という所まで天秤を戻す。
翻って小野木のターン。《若き紅蓮術士/Young
Pyromancer(M14)》から、再び《ギタクシア派の調査/Gitaxian
Probe》。さらに《定業/Preordain》。トークンを一気に2体生成し、盤面を固める。
何とか《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》を対処した佐野だが、手札には直接火力の《発展の代価/Price
of Progress(EXO)》しかない。
ここで立ち止まっていてはじり貧になると判断し、《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear(KTK)》で果敢にアタックし、《発展の代価/Price
of Progress(EXO)》を戦闘中にプレイ。自身もダメージを受けながら、佐野13→9:小野木11→5と引き次第でまくれる場を作る。
細かいカードの応酬が続いていたが、にわかにゲームが終わりに近づき出す。
小野木のターン。自身のライフも5と危険水域に達しているが、佐野が火力を引かない限り、ここでアタックの手を緩めてしまうと佐野の猶予を2ターン増やしてしまうため、全軍をレッドゾーンへと送り込み、佐野のライフを5とする。
しかし、ここで佐野が引き込んだのは…
小野木 1-1 佐野
Game3
UR同系らしい、し烈なライフレースを繰り返し、最終戦にもつれ込んだ全勝対決。
お互いに7枚のハンドをキープし、小野木の先手で始まる最終ゲーム。
Game1,2に続き熱戦が繰り広げられるかと思ったが、突然に、意外な結末を迎える。
《思案/Ponder(M10)》をプレイした小野木は、《渦まく知識/Brainstorm》と錯誤し、3枚のカードを手札に入れてしまう。
「ゲーム上の誤り・過剰なカードを引いた」に該当し、全勝街道をひた走っていた小野木に、あまりにも重い罰が下される。
小野木 1-2 佐野
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