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【Deck Tech】吉森 奨の黒緑信心 
 
By Takamasa Sato

タルキール覇王譚発売直後に行われた関東の草の根大会「LMC Championship」を優勝した吉森 奨の黒緑信心。
そのレシピと調整結果は殿堂プレイヤーである魔王・三原 槙仁にもシェアされ、実際に三原はプロツアー「タルキール覇王譚」で使用している。
BMO4回戦目を終えて3-0と好調の吉森に話を聞いた。




吉森「三原さんと同時期に僕も信心系のデッキを調整していたので、情報交換しながら組み上げたデッキです。
プロツアーの段階では概ね完成していて、現在でもプロツアーの時点から数枚交換しただけですね。
ライブラリー、ハンド、戦場、墓地、全てをリソースとして使えるので、消耗戦に強い所が気に入っています。
環境が変わって2マナ以下の除去が減ったので、プレインズウォーカーよりもクリーチャーの方が強いというのも、
このデッキを使用している大きな理由です。」

プレインズウォーカーよりクリーチャーが強いとは、どういうことだろうか。

吉森「環境が変わって2マナ以下の強い除去が無くなった結果、クリーチャーが生き残りやすくなったんですよ。
逆に、プレインズウォーカーを取り巻く除去は《払拭の光/Banishing Light》《英雄の破滅/Hero's Downfall》などですから、3マナで除去されてしまうことに変わりはない。
強いプレインズウォーカーのほとんどは4マナ以上ですので、3マナで除去されると割に合わないんです。
《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion》だけはトークンでアドバンテージが取れますし、ファッティの除去もできるので別格ですけど。」

しかしながら、《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion》は6マナ。
一度トークンを出すだけで除去されてしまえば、《女王スズメバチ/Hornet Queen》以下の働きと言わざるを得ない。
とはいえ、どのように必殺の《女王スズメバチ/Hornet Queen》に繋げるのか。

吉森「いたってシンプルです。2マナ域のマナクリーチャー(《森の女人像/Sylvan Caryatid》など)から初めて
《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》か《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》でアドバンテージを取ります。
あとは、《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》からのマナで、《書かれざるものの視認/See the Unwritten》や《女王スズメバチ/Hornet Queen》を唱えることが出来ます。
エンチャントの枚数は少ないのですが《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》は非常に強力で、アブザン相手の膠着した盤面を打開する力があります。
また、デッキの半分がクリーチャーなので、《エレボスの鞭/Whip of Erebos》も最大限活用できます。黒を使っている最大の利点ですね。
アブザン相手は、基本有利です。」

そう聞くとかなり強いデッキに思える。苦手なデッキはあるのだろうか。

吉森「ずばり、ジェスカイですね。早い段階からライフを詰められて火力を連打されるとそのまま押し切られてしまいます。
勝ち目があるとすれば《女王スズメバチ/Hornet Queen》が通った時なのですが、サイド後の《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》が本当につらいんですよね」

確かにジェスカイ相手には構造的に辛い部分がありそうだ。
しかし、マジックにはサイドボードがある。
下記が、吉森の用意している代表的なサイドボードプランである。





VSアブザン

IN
1《苦悶の神、ファリカ/Pharika, God of Affliction》
1《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》
1《頂点捕食者、ガラク/Garruk, Apex Predator》


OUT
1《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》(相手の構成によって《女王スズメバチ/Hornet Queen》や《書かれざるものの視認/See the Unwritten》)
2《高木の巨人/Arbor Colossus》


吉森「長期戦になりますので、アドバンテージを取れるカードを入れます。構造を崩したくないので、重い所を抜く感じですね。
《高木の巨人/Arbor Colossus》は、相手に飛行がないためにまず抜けますが、残り一枚はデッキ構成を見ながら考えます。
《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion》が多いようなら《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》は残しますね。」





VSジェスカイ(をはじめとするテンポデッキ)

IN
3《ナイレアの信奉者/Nylea's Disciple》
2《胆汁病/Bile Blight》


OUT
2《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》
1《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》
1《女王スズメバチ/Hornet Queen》
1《書かれざるものの視認/See the Unwritten》


吉森「火力のあるデッキに対しては、如何にカードを温存した上で生き延びるかの勝負です。
重い所を減らしてライフゲインと除去を入れることになりますね。
マナクリーチャーからの《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》もしくは《ナイレアの信奉者/Nylea's Disciple》という動きが出来ないとほぼ負けてしまうので、キープハンドが重要になると思います。」





VSコントロール(青黒コントロールなど)

IN
1《頂点捕食者、ガラク/Garruk, Apex Predator》
2《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》
2《思考囲い/Thoughtseize》
1《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》


OUT
2《高木の巨人/Arbor Colossus》
3《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》
1《エルフの神秘家/Elvish Mystic》


吉森「相手の構成によりますが、1枚のカードで対処されてしまう重いカードを抜いて、1枚では対処できないプレインズウォーカーに入れ替えます。
こちらの通したい呪文を通してくれる《思考囲い/Thoughtseize》も強力です。」





VSマルドゥ

IN
1《頂点捕食者、ガラク/Garruk, Apex Predator》
2《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》
2《再利用の賢者/Reclamation Sage》


OUT
1《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》
1《書かれざるものの視認/See the Unwritten》
1《女王スズメバチ/Hornet Queen》
2《高木の巨人/Arbor Colossus》


吉森「マルドゥもサイド後は除去コントロールのようになるので、1枚の除去で対処されてしまう多いカードを抜きます。
これも構成によりますが、《再利用の賢者/Reclamation Sage》は《責め苦の伝令/Herald of Torment》などの授与クリーチャーを壊せるので強力です。」

吉森「サイドのあと1枠は自由枠ですが、今日は黒単やハサミ(《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact》)デッキとのマッチアップを考慮して3枚目の《再利用の賢者/Reclamation Sage》にしています。」

最後に、吉森に改めて使用感を聞いた。

吉森「ダイナミックな動きが出来ますし、アブザンが多い環境なら勝ちやすいと思います。おすすめですよ。」

Sample Deck
23land
7《森/Forest》
1《沼》
4《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》
4《疾病の神殿/Temple of Malady》
4《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
2《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》

31creature
4《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
4《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》
4《森の女人像/Sylvan Caryatid》
4《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
4《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》
2《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》
4《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》
2《高木の巨人/Arbor Colossus》
4《女王スズメバチ/Hornet Queen》

6spell
2《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
4《書かれざるものの視認/See the Unwritten》
15sideboard
3《ナイレアの信奉者/Nylea's Disciple》
2《胆汁病/Bile Blight》
3《再利用の賢者/Reclamation Sage》
2《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》
2《思考囲い/Thoughtseize》
1《苦悶の神、ファリカ/Pharika, God of Affliction》
1《頂点捕食者、ガラク/Garruk, Apex Predator》
1《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》
 
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