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【Deck Tech】相澤 恵司の赤緑グルール  
 
By Takamasa Sato

かつて「スタンダードの貴族」と呼ばれた男が帰ってきた。
ミスターPWCの一人である相澤は、第6回戦を終わって未だ無敗。
しかも、使っているデッキは本大会で猛威を振るうアブザンでもジェスカイでもない…グルールモンスターである。




相澤「最近勝ちきれてなくて、彌永(淳也)に練習方法を相談したんですよ。
そうしたら、『環境の一つのデッキを90%極めるより、全部のデッキを70%理解したほうが勝てるよ』って言われたんです。
今日を迎えるまで、アブザン使ったりジェスカイ使ったり色々してみて。
やっぱりアブザンが強かったんで、それに勝てるデッキを目指して組みました。」

アブザンに勝てるデッキ…それは、どんなデッキなのか。

相澤「アブザンというデッキは全部のカードが強い。それに勝つには同じターンに一段階スケールの大きなカードをぶつけるしかない。
それを果たす条件はアンタップインの土地が多い(3色土地を使わない)ことと、マナクリーチャーを使える(緑である)こと。
ということで、緑を含む2色デッキを使う事は決まりました。
もう1色を決めるのも簡単でした。アブザンに強い《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》を使える赤です。」

淀みなく自らのデッキについて語る相澤。今日にいたるまで論理的に思考を積み上げてきたのだろう。

相澤「まずはマナクリーチャーとして《エルフの神秘家/Elvish Mystic》と《森の女人像/Sylvan Caryatid》。
2マナ域のカードとして《稲妻の一撃/Lightning Strike》を加えて、キープ基準を増やすために9枚目のマナクリーチャーである《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》を取りました。
アドバンテージをとれる《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》もセットでとるとして…問題は4マナ域。

《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》は採用するとして、他のグルールモンスターでは《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》がとられていることが多いのですが、
+0能力がアブザンやジェスカイに弱いし、忠誠度が低くて火力で対処されやすいので、他の火力と組み合わせて使える《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》を採用しました。
5マナ域は《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》に加えて必ず相手に1:2交換を強いるカードである《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》を。

《ナイレアの弓/Bow of Nylea》は、7枚目のプレインズウォーカー枠であり、低マナ域のカードの価値を引き上げる1枚です。
飛行に2点ダメージを与える能力があれば、《稲妻の一撃/Lightning Strike》で《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》を落とせますし、
接死能力のおかげでマナクリーチャーでもアタックできる。《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》の怪物化能力と組み合わせれば対戦相手の戦場を壊滅させることができます。

土地についても何度か計算してみて無色土地1枚取れることがわかったので、《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》と《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel(DST)》を試した結果、《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》と相性のいい《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel(DST)》に落ち着きました。」

なるほど…理に適っている。とはいえ、環境の最大勢力であるアブザンのカードが優れていることは相澤自身認める所。
サイド後ともなると、さすがに厳しいのでは?

もちろん、相澤はそこにも対策を用意している。
下記に、代表的なデッキとのサイドボードプランをまとめてもらった。




VSアブザン

IN
2《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》
4《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》(先手のみ)

OUT
3《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》
3火力(《稲妻の一撃/Lightning Strike》《火口の爪/Crater's Claws》の枚数を調整)


相澤「アブザンは《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》に対処する為に《対立の終結/End Hostilities》と《残忍な切断/Murderous Cut》を入れると予想されます。
そこで、先手は2ターン目の《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》から除去に強い《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》を入れて押し切る形にします。
後手では受けに回るので、火力を戻します。」





VSジェスカイ

IN
3《霧裂きのハイドラ/Mistcutter Hydra》

OUT
3《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》


相澤「《霧裂きのハイドラ/Mistcutter Hydra》をめぐるマッチになります。早いターンに4/4で着地させて、《対立の終結/End Hostilities》か《かき立てる炎/Stoke the Flames》を撃たせてから、返しに5マナ域のカードを叩き付けるのが必勝パターンです。」





VS緑黒信心(三原 槙仁型)

IN
4《マグマのしぶき/Magma Spray》
2《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》
2《破壊的な享楽/Destructive Revelry》

OUT
4《火口の爪/Crater's Claws》
3《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》
1《ナイレアの弓/Bow of Nylea》(先手)
1《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》(後手)


相澤「軽いマナクリーチャーを《マグマのしぶき/Magma Spray》で焼きつつ、《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》と《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》で上から殴る展開になります。
先手なら《ナイレアの弓/Bow of Nylea》は役に立ちませんが、後手ですと《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》でマウントが取りづらくなるのと、ロングゲームになった時に活躍するので《ナイレアの弓/Bow of Nylea》が残ります。」





VS青黒コントロール

IN
3《霧裂きのハイドラ/Mistcutter Hydra》
2《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》

(相手に《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》が無ければ)
4《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》

OUT
4《森の女人像/Sylvan Caryatid》
1《ナイレアの弓/Bow of Nylea》


(相手に《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》が無ければ)
2《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》
1《稲妻の一撃/Lightning Strike》(複数枚引いて腐るもの)
1《火口の爪/Crater's Claws》

相澤「普通、コントロール相手には火力を抜かないものなのですが、現環境の青黒コントロールは別です。
ライフゲイン手段がないので、本体火力が効いてしまうからです。
そこで、ダメージを与えられないカードを全て抜いて、速攻クリーチャーを足します。
相手が軽い除去を減らしてくるようなら、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》を入れて畳み掛けます。」





VSマルドゥ

IN
2《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》

OUT
2《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》(相手のデッキがアグロなら2《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》)


相澤「マルドゥと一口に言っても様々な形があるのでなんとも言えないのですが、《軍族の解体者/Butcher of the Horde》だけはガンですので、
対抗できる《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》はサイドインします。
アウトは黒い除去に弱い《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》が基本ですが、相手のデッキがアグロよりなら《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》を抜きます。
《マグマのしぶき/Magma Spray》を入れる人もいると思うのですが、《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos》の存在を考えると、無駄牌になる可能性が高いので入れていません。
《停止の場/Suspension Field》を見たら《破壊的な享楽/Destructive Revelry》を入れるでしょうし…やはり、相手の構成によるのではないかと。」

全ての質問に真摯に答えてくれた相澤。
是非一度、その理論の結晶であるデッキを回して感触を確かめてほしい。
Sample Deck
24land
9《森/Forest》
4《山/Mountain》
4《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4《奔放の神殿/Temple of Abandon》
2《マナの合流点/Mana Confluence》
1《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》

8creature
4《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
4《森の女人像/Sylvan Caryatid》
1《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》
4《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
4《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》
4《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》

28spell
4《火口の爪/Crater's Claws》
4《稲妻の一撃/Lightning Strike》
3《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》
3《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》
1《ナイレアの弓/Bow of Nylea》
15sideboard
4《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
3《霧裂きのハイドラ/Mistcutter Hydra》
2《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》
4《マグマのしぶき/Magma Spray》
2《破壊的な享楽/Destructive Revelry》
 
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