By Daisuke Kawasaki
394人の頂点が決まる決勝戦。
この緊迫したステージにあがった二人、この二人はすでにプレミアイベントで決勝戦を戦った経験がある。
日本選手権2011の決勝を戦った、石田
龍一郎(愛知)。
グランプリ・名古屋14の決勝を戦った、朴
高志(愛知)。
だが、結果は大きく違った。
石田は勝利し、日本チャンピオンとなり、朴は準優勝だった。
二人が使用するデッキは、石田は黒緑白のアブザン・アグロ、朴は赤単である。
名古屋の決勝では、ドラフトではあったものの、黒緑系のデッキで赤系のデッキに敗北してしまった朴、今回立場を入れ替えてリベンジなるか。
Game 1
スイスラウンドの結果で、先手の朴が、初手をキープ。対して、後手の石田はゲームプランの重めな初手をマリガンすることを選択する。
しかし、続く初手は、今度は土地が1枚というもの。これをみて、石田は少考するがキープを宣言する。
朴は1ターン目にフェッチから《山/Mountain》をサーチし、《火飲みのサテュロス/Firedrinker
Satyr》をプレイ。対する石田の第1ターンのドローは……土地。
これで最初の関門をクリアーした石田だが、朴は2体目の《火飲みのサテュロス/Firedrinker
Satyr》をプレイ、さらに石田がブロッカーとして用意した《羊毛鬣のライオン/Fleecemane
Lion》も《稲妻の一撃/Lightning Strike》で除去する。
石田は《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》で占術をすると、《荒野の後継者/Heir
of the Wilds》をプレイするが、4ターン連続で土地をセットしてきた朴はこれも《かき立てる炎/Stoke
the Flames》で除去する。
だが、石田も4ターン連続で土地をセットすると、朴はあるカードを予測してか「うわ」と声をあげる。
朴「もう、これはうわっていうしかない」
当然のように召喚される《包囲サイ/Siege Rhino》。
朴は2体の《火飲みのサテュロス/Firedrinker
Satyr》をレッドゾーンに送り込み、《包囲サイ/Siege
Rhino》にブロックされなかった方を全力でパンプ、都合3体目となる《火飲みのサテュロス/Firedrinker
Satyr》を戦場に送り出す。これでライフレースは石田が7、《火飲みのサテュロス/Firedrinker
Satyr》の能力でダメージを受けた朴は9。
さらに石田が《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》をプレイし、地上が完全に膠着してしまう。《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear》をプレイしたものの、玉砕覚悟のアタックで返しで殺されてしまったら意味はないのだ。
続くターンに石田が《包囲サイ/Siege Rhino》でアタックすると、朴は「まじかぁ」と思わず声が漏れる。ということは石田の手には後続のブロッカーがいるわけで、《羊毛鬣のライオン/Fleecemane
Lion》が予定調和的に召喚される。
朴は2体目の《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》プレイで隙を伺うが、石田は一気に短期決戦の構えを見せて、3体をレッドゾーンに送り込み、朴のライフを1とする。
たしかに4点火力をトップデックすれば、逆転できる隙ができたが、朴はこの隙を活かせるドローをできなかった。
石田 1-0 朴
Game 2
朴が少考したものの、今度は互いにキープし、朴が1ターン目から《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear》でアタックする。
だが、2ターン目に朴は土地を引き込めず、《激情のゴブリン/Frenzied
Goblin》をプレイするのみ。返しの石田の《羊毛鬣のライオン/Fleecemane
Lion》こそ、この《激情のゴブリン/Frenzied
Goblin》の能力でブロックを不可にできるものの、やはり土地をひけず《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear》に《槌手/Hammerhand》をプレイすることしかできない。
ここで《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》に《胆汁病/Bile
Blight》をうたれた朴。さらに《激情のゴブリン/Frenzied
Goblin》を追加するが、今度は2体まとめて《胆汁病/Bile
Blight》されてしまう。
そして、《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》だけでなく《荒野の後継者/Heir
of the Wilds》の後継者まで追加されたところで、朴はやっと2枚めの《山/Mountain》を引く。
朴「遅いよ」
続くターンに石田がプレイしたのは、《真面目な訪問者、ソリン/Sorin,
Solemn Visitor》。
石田 2-0 朴
朴「最後の一勝が遠い……」
朴が、試合終了後、つぶやく。
前回悔しさを味わったからこそ、朴は勝ちたい理由があったのだ。
だが、勝ちたい理由があったのは、石田もそうだった。
石田「やっと、勝った。これで(日本選手権だけの)一発屋って言われないですむ!」
敗者が悔しさをバネに新たな勝利を求めるように、勝者も、勝った喜びを再び味わいたくてやはり勝利を求める。
互いに勝利を求める理由があるもの同士が戦うからこそ、競技イベントは魅力的で、真剣で、そして面白いものになるのだろう。
おめでとう、石田 龍一郎!
第2回BigMagicOpen Standardチャンピオン!
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