By Genki Moriyasu
自身のデッキ・チューニングに信念を掛けたもの同士の対決となった。
中島の、《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》を搭載したスゥルタイ・ミッドレンジ。
吉田の、"秘密兵器"を積んだ、緑単信心。
緑を軸にしながら、アブザンを否定した二人。
Game 1
マリガンながら中島が《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》《エルフの神秘家/Elvish Mystic》スタートを決める。
2ターン目《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》で失ったアドを取り返しに図る。
返し《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》を置くに留まる吉田。
数あるマナクリーチャーの中でも《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》を選ぶデッキは、多くの場合《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》の爆発力を持つデッキだ。
探査1からの《残忍な切断/Murderous Cut》でこれに応じる中島。
大切な確定除去だが、緑の4マナの生物は、どれも凶悪だという判断だろう。
対して吉田、《再利用の賢者/Reclamation Sage》がエンチャントでもある《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》を割る。
除去を使うのも勿体ないと言わしめる《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》をカード交換することなく対処できる数少ないカードだ。
これで攻め手とアドバンテージを失った中島。動きが緩くなり、セットランドを続ける。
吉田は攻めの姿勢を貫く。《起源のハイドラ/Genesis Hydra》をX=2で唱え、外すもの、殴り続けるという意思表示だ。
続くターン、《定命の者の宿敵/Nemesis of Mortals》がサイズのプレッシャーをかける。
墓地利用のスゥルタイに相応しい怪物、《イニストラードの魂/Soul of Innistrad》で盤面を止める中島。
《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》から《女王スズメバチ/Hornet Queen》の航空戦力を示す吉田。
《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》でこちらも《女王スズメバチ/Hornet Queen》を2枚落とせた中島は、《イニストラードの魂/Soul of Innistrad》から回収を狙う。
睨み合いまでの、その1ターン差。
吉田が《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》の超マナから唱えたのは、《タルキールの龍の玉座/Dragon Throne of Tarkir》。
『タルキール覇王譚』セットのうち、唯一タルキールの名を冠する、4マナの装備品。
《圧倒する暴走/Overwhelming》を彷彿させる自軍全体修正を与える装備品が、スタンダードを踏み荒らしにきた。
《定命の者の宿敵/Nemesis of Mortals》が玉座に座る。
中島0-吉田1
Game2
《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》から墓地を肥やしていく中島。
吉田も《エルフの神秘家/Elvish Mystic》《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》の好スタート返し。
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》は《残忍な競争/Feral Contest》された上、《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》でクリーチャーを4枚落として、外してしまう。
しかしそこから《定命の者の宿敵/Nemesis of Mortals》という《タルモゴイフ/Tarmogoyf》顔負けの2マナ生物があらわれた。
4ターン目。
《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》とそのトークンで戦力を補充する中島。
攻めるときにも守るときにも信頼おけ、墓地をこやしていく優秀なキーカードだ。
そして、その暴君を嘲笑うように、再び《タルキールの龍の玉座/Dragon Throne of Tarkir》が用意される。
既に《定命の者の宿敵/Nemesis of Mortals》の怪物化までのマナも見えている中島が苦しい。
《エレボスの鞭/Whip of Erebos》を置いてライフレースを仕掛けるも、《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》の攻撃誘発が2度も外れてしまう。
2ターン後。+10/+10トランプルというコンボじみた修正値を持った《エルフの神秘家/Elvish Mystic》と《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》がめきょめきょとライフを吸い取った。
中島0-吉田2
秘密兵器、《タルキールの龍の玉座/Dragon Throne of Tarkir》。
マルドゥのカーン《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》が座るその玉座は、スタンダードのカーンをも導きだすのだろうか。
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