by Akira Asahara
400名近い参加者となったBMOスタンダード。どのプレイヤーがどんな思惑で、デッキを選択して来たのか。そのメタゲームブレイクダウンをお伝えしていこう。
アブザンミッドレンジ 67
ジェスカイウィンズ 58
アブザンアグロ 47
マルドゥミッドレンジ 39
赤緑モンスターズ 24
青黒コントロール 23
ティムールミッド 22
赤単 14
ハサミ 11
赤白ト―クン 7
スゥルタイ 7
白青英雄 6
ジェスカイの隆盛 5
黒単 3
白青コン 3
バントコン 3
戦士 3
白黒コン 2
5色コン 2
エスパーコン 2
ナヤミッド 2
白単兵士 2
4色コン 2
グリクシスコン 2
赤白コン 2
青赤バーン 1
赤黒ビート 1
赤青コン 1
赤白英雄 1
アブザンタッチ 1
アブザンキオーラ 1
アブザンリアニ 1
白黒 アグロ
白単信心 1
赤単+白 1
赤単信心 1
ミッドレンジで67人、アグロで47人と最大勢力となったのが、緑黒白のアブザンデッキ。PTタルキール覇王譚では悪夢とさえ言われた《包囲サイ》を中心とした、優秀なクリーチャー陣を《英雄の破滅》や《アブザンの魔除け》でバックアップし、さらに《太陽の勇者、エルズペス》や《真面目な訪問者、ソリン》がアンカーとして控える。層の厚さという点では他の氏族の追随を許さないが、それを象徴するものとして、鉄板と思われていた《森の女人像》と《クルフィックスの狩猟者》を外し、《ラクシャーサの死与え》や《荒野の後継者》で序盤から積極的にライフを攻め立てていく、アブザンアグロの躍進が挙げられる。
このアブザンアグロの増加はもっとも注目すべきところだろう。PTタルキール覇王譚の段階では4人しか居なかったアブザンアグロは、今大会では47人と大幅に増加。強さが証明されたこともあるが、《森の女人像》と《クルフィックスの狩猟者》という固定概念が取り除かれたのも大きい。まだ、ミッドレンジの方が多いが、これから先、そのバランスが逆転する日も近いのかもしれない。
次に多いデッキのカラーは赤白青のジェスカイ。ジェスカイの魅力は相手のライフを速やかに削るという攻撃的なデッキでありながら、受けの広い選択やデッキ構成が可能なことだろう。その為、ジェスカイデッキの構成は人によって少なからず異なっていることが多い。このジェスカイの細かいカードの取捨を見ていくとキリが無い部分があるが、ジェスカイを戦略的に支えている象徴的なカードの1つを挙げるなら《ジェスカイの魔除け(KTK)》だろう。《ジェスカイの魔除け(KTK)》は万能除去として、プレイヤーに対してのバーンカードとして、そして、ライフレースのサポートとして使用できる。3種3様の効果は、ジェスカイの攻勢の防ぎにくさを示しており、火力に寄せたり、トークンに寄せたりといったデッキ構成を可能にしているのだ。
3番目はマルドゥ。強力なクリーチャーながら燃費が少し悪い《軍族の解体者》を《ゴブリンの熟練扇動者(M15)》や《オレスコスの王、ブリマーズ(BNG)》といったトークンを生み出せるクリーチャーでサポートしていく。マルドゥがアブザンと違う点は除去の多様性にある。《岩への繋ぎ止め(THS)》は環境で最強の1マナ除去で、《はじける破滅(KTK)》は《予知するスフィンクス(THS)》などの触れないクリーチャーも倒せる。クリーチャー+除去という構成はアブザンに似ているが、盤面へ触るという点においては、アブザンよりも、マルドゥに軍配が上がる。
ここまでが使用者としては、Tier1エリア。
Tier2として続くのは赤緑モンスターズ、青黒コントロール、ティムールミッドレンジだ。赤緑モンスターズはテーロスから引き継がれたアーキタイプの一つで、マナ加速から、《世界を喰らう者、ポルクラノス(THS)》や《嵐の息吹のドラゴン(THS)》を出し、《歓楽者ゼナゴス(THS)》からの豊富なマナを利用して戦場を制圧する。
青黒コントロールはPTタルキール覇王譚で使用された、除去と打消しとドローという正統派のコントロールデッキ。《時を越えた探索(KTK)》をフル投入し、長期戦には滅法強い。現環境は全体除去が弱く、優秀なクリーチャーや火力によって速度も速いため、コントロールは主流になりにくいが、こだわりを持つプレイヤーやメタゲームの間隙を縫う形で選択されることが多いようだ。
ティムールミッドレンジは、ブライアンキブラーが原型を提案したことで、使用者が増えている。元々、《凶暴な拳刃(KTK)》という優秀なクリーチャーが居ただけにポテンシャルは高い。このデッキによって、《火口の爪(KTK)》も強力な火力という認識が定着sた。
また、PT後から頭角を現したデッキとして挙げられる赤単も14人のプレイヤーが選択している。超高速のビートダウンを狙う赤単にとって、タップインの土地が多めに入る、多色デッキの序盤のもたつきは絶好の獲物だ。1マナ域に寄せられたクリーチャー陣、その中でも《僧院の速槍(KTK)》は注目のクリーチャーだ。《ドラゴンのマントル(THS)》などによる各種キャントリップと合わせれば、
速やかに対戦相手のライフを0にすることができるだろう。
他にも少数派ではあるものの、赤白の《ウルドのオベリスク》デッキや《ジェスカイの隆盛(KTK)》のコンボデッキ、白青英雄なども侮れない。現に昨日のSCGインビテーショナルチャレンジの優勝が今回3人のみが使用している黒単であると考えるとどのデッキにも可能性があると言えるだろう。まだまだ、スタンダードのメタゲームからは目が離せ無い状態だ。
各デッキタイプについては、追ってデッキテックとして紹介していくので、そちらもぜひ参照していほしい。
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