By Genki Moriyasu
BMOスタンダードも第4ラウンドを迎え、勝つデッキと負けるデッキが出てくる頃合いだ。
大野のアブザンアグロは最大勢力かつ勝つデッキの典型と入れるだろう。
そして、渡辺雄也が登場する。
Game1
タップインランドの応酬から、大野の《荒野の後継者/Heir
of the Wilds》でゲームが始まる。
渡辺、《道の探求者/Seeker of the Way》で応じる。
スタンダードを代表する双クラン、アブザン対ジェスカイが互いに誇る2マナ2/2だ。
《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》という、熊というには強すぎる熊を追加する大野。
渡辺が《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》を突き出すと、盤面には2/2ばかりだがいずれも超一流のアタッカーだ。
速攻で出てくるゴブリン・トークンにはいわずと知れた市川ユウキのプレイヤー・トークン。
トークンに愛用するほど仲の良さか、ゴブリンにしたいほどなにか確執があるのか。
《道の探求者/Seeker of the Way》とトークンとのダブルアタックには、《ラクシャーサの死与え/Rakshasa
Deathdealer》をまだ失いたくない大野はトークンを止める。
《神々の思し召し/Gods Willing》をケアして《胆汁病/Bile
Blight》をメインで《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin
Rabblemaster》を対処する。
追加の《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》も《英雄の破滅/Hero’s
Downfall》で対処してから、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza,
the Foremost》。
アブザンアグロというアーキを成立させるクリーチャーが勢ぞろう。
《軍族童の突発/Hordeling Outburst》と《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin
Rabblemaster》の遺児のゴブリン・トークン4体。
それと《道の探求者/Seeker of the Way》ではクロックが負けているように見えた渡辺。
ドローからの一言。
渡辺「圧倒的オーバーキルですね」
まず、《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》。
スタンで久しぶりの構築級の無限コンボをもたらした、最強の隆盛が、今回もその実力の片りんを見せる。
そして召集からの《かき立てる炎/Stoke the
Flames》、《かき立てる炎/Stoke the
Flames》。
20点がはじけ飛ぶ。
ライフレースとは、なんだったのか。
渡辺1-大野0
《稲妻の一撃/Lightning Strike》や《異端の輝き/Glare
of Heresy》といった除去ばかりのハンドをキープした渡辺。
クロックがなく、相手の展開次第では裏目になるかもしれない。
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》に《稲妻の一撃/Lightning
Strike》。
《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza,
the Foremost》に《異端の輝き/Glare
of Heresy》。
2体目の《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》に2枚目の《稲妻の一撃/Lightning
Strike》。
そして3体目の《羊毛鬣のライオン/Fleecemane
Lion》に、3枚目の《稲妻の一撃/Lightning
Strike》！
1:1を繰り返し続けて、最初にプレイヤーが攻撃宣言を出来たのは6ターン目。
《稲妻の一撃/Lightning Strike》からマナを残した渡辺の《急報/Raise
the Alarm》による兵士トークンだ。
渡辺曰く、ゴブリンは瀬畑(市川)。兵士は自分。とのこと。
渡辺「"ゴブリンは瀬畑"ということを強調してね」
軽口を叩きながらも、昨日のBMOレガシーでも猛威を振るった《宝船の巡航/Treasure
Cruise》が除去で枯れた渡辺の手札を復活させる。
返しについに4体目の《羊毛鬣のライオン/Fleecemane
Lion》を引っ張り出した大野。
渡辺《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》から《異端の輝き/Glare
of Heresy》でこれを対処。
加えて、全体+1/+1という爆発力を見せる《ジェスカイの隆盛/Jeskai
Ascendancy》のもう一つの特徴、ルーターが潤沢な手札と共に機能しはじめる。
先ほど《かき立てる炎/Stoke the Flames》の0マナ連続放射で打ち倒されている大野。
兵士・トークンに《英雄の破滅/Hero’s Downfall》を撃つことでゲームスピードを遅らせに出る。
やむなく強襲のない《風番いのロック/Wingmate
Roc》は、《停止の場/Suspension Field》で追放される。
今までの《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》が一体でも残っていれば、また違っただろう。
兵士・トークンが地道に1点クロックを刻むものの、相手のスペルがなんでも火力になる大野に実質残された猶予は長くない。
渡辺が《軍族童の突発/Hordeling Outburst》を追加すると、いよいよラストターンが近い。
大野のトップは、待望とも言える《包囲サイ/Siege
Rhino》！
既に幾たびも《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》のルーターによってデッキを掘り下げていた渡辺、《軽蔑的な一撃/Disdainful
Stroke》を握っていた。
渡辺2-大野0
アブザンミッドからアブザンアグロが派生したように、ジェスカイテンポももう一つの形を完成させつつあった。
ジェスカイトークン。渡辺はこの突然死（サドンデス）デッキで、世界を狙っている。
最後の一言、渡辺からコメントをもらった。
渡辺「ゴブリンが瀬畑っていうことが書いてあれば良いから！」
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