By Daisuke
Kawasaki
前回に引き続き開催される事となったStarCityGamesインヴィテーショナルの日本予選。
今回、そのヘッドジャッジを務めた藤井 元氏にインタビューをした。
--本日はヘッドジャッジ、お疲れ様です。まず、今回、このBigMagicOpenでヘッドジャッジをすることになった経緯を教えていただいてよろしいですか?
藤井「今回、結果的には参加人数110名前後だったのですが、普段は経験できない大人数のトーナメントでのヘッドジャッジの経験をできる可能性があると考えて応募しました」
--普段は、どれくらいの規模の大会でヘッドジャッジをなされているのですか?
藤井「関西圏、特に京都などの北の方でのPTQなどのヘッドジャッジをやっております。その場合、基本的には最大128名までの大会ですね」
--それでもかなり大きな大会のように感じますが……
藤井「たしかにそうなんですが、128人を超えてくると、ヘッドジャッジに求められるスキルが変わってくるんですよね」
--といいますと?
藤井「128名までのトーナメントだと、基本的にはジャッジ3人で回すことになるのですが、それくらいの人数だと自分の指示を的確に全員に伝えることができるのですが、200名前後の規模になってくると、6人を超えるジャッジに指示をしなければなくなるので、全員に伝えるのではなくチームをマネージメントする能力が必要になってきます。年に10回以上そういうトーナメントを経験している人に比べると、年間で数回しかチャンスが無い自分とスキルの差があるように感じているので、その差を埋められるように、できるだけ経験を積めればと考えています」
--なるほど。ちなみに藤井さんはジャッジとしてのキャリアは何年くらいなんですか?
藤井「最初にジャッジに認定されたのは、たしか2002年なのでもう12年くらいになるかと思います」
--それはかなり長い方なのではないですか?
藤井「認定ジャッジになってからは長いのですが、本格的に競技イベントでジャッジをやり始めたのは2009年からなので、そこから数えた場合は5年なので、それほど長い方ではないかと思います」
--最初にジャッジ認定を受けたのは何がきっかけでしたか?
藤井「当時、大阪のカードショップでアルバイトをやってまして、元々マジック経由で始めたバイトだったので、店員としてのスキルとしてジャッジ資格を持っているのは良いのではないかと考えて認定試験を受けたのが最初でしたね」
--その後、競技イベントでのジャッジをすることになったのはどんなきっかけだったのですか?
藤井「最初、店員として必要なスキルだと思ってとったジャッジ資格だったんですが、当時は店舗ではあまり活かす場がなかったんですよ。ただ、認定ジャッジだということで当時、菅谷さんや宮本さんといった関西のジャッジに声をかけてもらってたまにイベントを手伝うようになったのがきっかけでしたね」
--現在では、国内のプレミアイベントはほとんど参加されてますよね。
藤井「そうですね。さきほども言ったように、大型イベントでのスキルを積む貴重な機会なので、できるだけ参加したいと思っています」
--今回、かなりジャッジの多いイベントでのヘッドジャッジだったかと思うですが、特に気をつけた点はございますか?
藤井「今回、合計11人ほどのジャッジで進行したのですが、実はレベル2ジャッジの人数だけでも十分に回せるくらいに人員は十分でした。なので、いい機会だと思い、レベル1ジャッジが実践の中でレベル2ジャッジから指導を受けて経験を積める場になればと考えてました」
--なるほど。たしかに、今回、クオリティを維持するために多くのジャッジが招集されていましたし、そんな中で経験を積めるのは、参加するレベル1ジャッジにとってもモチベーションになりえますもんね。
藤井「そうなんですが、個人的には反省点の残る運営ではありました。先ほどいいましたように、トーナメントの進行だけであれば、レベル2の人員だけでも十分という状況ではあったのですが、レベル2の皆さんに自分の仕事に追加してレベル1のスキルアップを手伝うという仕事をさせてしまっていた以上、もう少し仕事の配分に気を使うべきでした。トーナメントの進行に影響はありませんでしたが、参加したジャッジの皆さんに負担をかけた部分があったのは自分が今後スキルアップしていかないといけない部分だと認識しました」
--今回、お話を聞いていると、藤井さんはジャッジ全体のレベルの底上げを強く意識しているように感じられますが……
藤井「そうですね。理由は個人的なものと、マジック全体のものとふたつあるのですが。まず、マジック全体の理由としては、プロツアー予選のシステムが代わり、店舗での予備予選が実施されることになるので、アドバンス店舗の数だけレベル2ジャッジが必要という状況になりえます。そういった状況にも対応できるように、アクティブなジャッジを増やす助けができればと考えています。現状ではシステムに対応するのにジャッジが足りないのではないかと……」
--たしかに、プロツアー予選のシステム変更は大きいですね。逆に、個人的な理由の方も差し支えなければ聞かせていただけますか?
藤井「うーん、まぁ、本当に個人的な話ではあるんですが、自分はコミュニティに育ててもらって来たと思っているので、それは当然コミュニティに返していくべきだなと思っているんですよね」
--それはジャッジコミュニティでの話、ということですか?
藤井「ジャッジコミュニティでももちろんそうですし、そもそもマジックに出会ったのも、当時RPGサークルの先輩に教えてもらって、そこからコミュニティが広がって行ったわけなので。今度は後輩がコミュニティを広げる手助けをしていくべきではないかと」
--マジックコミュニティ全体で、ということですね。
藤井「そうですね。ただ、プレイヤーのコミュニティとジャッジのコミュニティ、どちらのほうが自分がより貢献できるかって考えた時、今だとジャッジコミュニティだと思うので、ジャッジの活動に力を入れている所はあります」
--なるほど。マジックはコミュニティのゲームという側面もありますし、藤井さんのようにコミュニティを広げる方が多ければ多いほど、よりゲームも面白くなりますからね。最後に、この記事を読む方々にメッセージがあればお願いします。
藤井「今年の末から来年に向けてプロツアーの予備予選が始まるのですが、先程も言ったように必要な店舗に十分なジャッジがいないという問題があります。アドバンス以上でせっかく開催の権利があってもやれない、もしくはやれない店舗があるというのは競技コミュニティ全体を考えたら、非常に悲しいことです。ぜひとも、近くのジャッジに相談して、できるだけ多くの店舗で予備予選が開催できる状況を作れればと思っていますので、ジャッジをやりたい方や店舗の方はご相談下さい」
--今日はお忙しい中、ありがとうございました。
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