By Daisuke Kawasaki
全9回戦という長丁場で行われる予選ラウンドはようやく折り返し地点の5ラウンド目を迎えた。
ここまでの上位卓を見る限り、青白奇跡とカナディアンスレッショルドのふたつのデッキが現状での勝ち組といえるだろう。
そんな中、カナディアンスレッショルドでここまで青白奇跡を3回倒し、4連勝中のBigMagic所属プロ、市川
ユウキがフィーチャリングエリアへと招集された。
対するのは、グランプリ・名古屋14トップ4の松井
久剛だ。
※グランプリ・名古屋2014
トップ8プレイヤープロフィールより引用
市川 「実は、グランプリ・名古屋の最終ラウンドでバブルマッチを戦った相手なんですよね」
松井 「あの時は勝ったほうがトップ8の熱い戦いでしたからね」
市川 「いや、あれは松井さんが勝つべくして勝ったマッチですよ。僕のデッキ弱かったんで、2-1できただけでも十分でしたから」
といいつつも悔しさを隠さない市川。
はからずもリベンジマッチとなったこの対戦、市川の使用するデッキは前述のとおり、カナディアンスレッショルド、対する松井のデッキは赤単バーンだ。
火力で対処しにくいクロックである《タルモゴイフ/Tarmogoyf》の対処が焦点となるこのマッチアップ。果たして市川がリベンジを果たすのか、それとも松井が格付けを済ますのか。
Game 1
先手の松井は1ターン目にフェッチから《渋面の溶岩使い/Grim
Lavamancer》をプレイ。対して、市川は《Volcanic
Island》をセットしてターンを返す。
続いて松井は《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》をプレイ。これで墓地が2枚になり能力を起動されるのを防ぐために市川は対応して《渋面の溶岩使い/Grim
Lavamancer》を除去する。松井は1マナを残してターンを返す。
そして、このタイミングで市川は《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をプレイ。早くも4/5となった《タルモゴイフ/Tarmogoyf》がクロックを刻むか、それとも松井の火力が市川を焼ききるかの勝負となる。
松井は2枚めの《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》をプレイして市川のライフは13。対して、松井は《タルモゴイフ/Tarmogoyf》の初アタックを受けてライフが15。市川は《思案/Ponder》をプレイしてターンを終了する。
松井はここでタルキール覇王譚のインパクトとも言える《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear》をプレイするが、市川は《Force
of Will》でカウンター。松井の後続が無かったので、市川は《タルモゴイフ/Tarmogoyf》でのアタックで松井のライフを11としてライフレースを逆転する。
2ターン連続で土地を置くのみでターンを返していた松井は、自身のライフが7、市川のライフが12となったところでドローをして深く息をのむ。まず、《ゴブリンの先達/Goblin
Guide》をプレイ。これに対処できるカウンターを持たない市川は対応して《渦まく知識/Brainstorm》をプレイするが、カウンターも除去も、そしてアタックに対応してトップからめくることができる土地さえ手に入れることができない。
松井は少考の後、《ゴブリンの先達/Goblin
Guide》をブロッカーとして残すことを選択し、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をチャンプブロックするが、市川は2体目の《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をプレイし、続くターンに松井のライフを削りきれる盤面を作り上げる。市川の12点を削り切れない松井は、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を2枚の《稲妻/Lightning
Bolt》で対処するしか無い。
そして、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》のアタックを通してライフが3となった松井の前にでてきた《敏捷なマングース/Nimble
Mongoose》への対処手段は存在しないのだった。
市川 1-0 松井
Game 2
松井の1ターン目の《ゴブリンの先達/Goblin
Guide》に対して、トップから《Tropical
Island》を手に入れることに成功した市川。火力で《ゴブリンの先達/Goblin
Guide》を除去すると、さらに土地が止まった松井がプレイした《僧院の速槍/Monastery
Swiftspear》を《目くらまし/Daze》でカウンターする。
《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great
Revel》を《死亡/Dead》で対処するが、ここで2点のダメージをくらい、さらに《溶岩の撃ち込み/Lava
Spike》を食らって残りライフが12。更なる《溶岩の撃ち込み/Lava
Spike》は《目くらまし/Daze》する。
市川は2ターン連続で《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をプレイすると、これが《大歓楽の幻霊/Eidolon
of the Great Revel》のお陰で5/6という規格外のサイズとなっている。この《タルモゴイフ/Tarmogoyf》への対処手段として《罠の橋/Ensnaring
Bridge》を持っている松井だったが、土地が2枚で止まってしまい対応することができない。
のこりライフが4となった松井は、ドローにかけるが、そのカードは《罠の橋/Ensnaring
Bridge》をもたらす土地ではない。《渋面の溶岩使い/Grim
Lavamancer》《ゴブリンの先達/Goblin
Guide》とチャンプブロッカーを用意したのだが、一方に火力が打ち込まれると手を差し出したのだった。
市川 2-0 松井
松井 「いやぁ、リベンジされちゃいましたね」
市川 「いやいやいや、ここで勝っても仕方ないでしょ。ここで星を戻したせいで、またグランプリのバブルマッチで負けちゃったりするからなぁ……」
少なくともグランプリでバブルマッチを戦うつもりでいる市川。しかし、ここまでの5連勝の内容を見れば、増長もやむなしと言っていいかもしれない。
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