By Takamasa Sato
約400名の参加者を集めたBMOレガシーも、残すところあと3戦。
前回のBMOで併催されたPTQの優勝者であり、先日のプロツアー「タルキール覇王譚」で10位入賞を果たしたプロプレイヤー・井川
良彦と、BMOレガシーのディフェンディングチャンピォン高野
茂樹の準々決勝をお届けする。
なお、井川が使用するのは斉藤 伸夫より75枚提供を受けたカナディアンスレッショルド。高野が使用するのはもちろん、前回自身を優勝に導いた相棒・エルフである。
プロプレイヤーがレガシーでもその実力を示すのか、それとも前回王者がその貫録を見せつけるか。
Game1
スイスラウンドで上位の井川、先手を選択。双方マリガンは無く、ゲームスタート。
井川が《Tropical Island(2ED)》から《秘密を掘り下げる者/Delver
of Secrets(ISD)》を呼び出せば、高野も《新緑の地下墓地/Verdant
Catacombs(ZEN)》から《森/Forest(4ED)》を持ってきて《死儀礼のシャーマン/Deathrite
Shaman(RTR)》と、互いにこの環境を代表する1マナクリーチャーを展開。
井川の山札からは《思案/Ponder(M12)》がめくれ、早くも《秘密を掘り下げる者/Delver
of Secrets(ISD)》は3/2飛行というゲームを決定づけ得るクロックとなる。
さらに、井川は持っていた《稲妻/Lightning
Bolt(M11)》で《死儀礼のシャーマン/Deathrite
Shaman(RTR)》を殺し、ゲームのペースを自らへと引き寄せる。
高野はあわてる様子も無く、《エルフの幻想家/Elvish
Visionary(M13)》を展開。
井川は《思案/Ponder(M12)》で手札を整えながらライフを削る。
クロックパーミッションであるカナスレとコンボデッキであるエルフとでは、観戦していて時間の流れが微妙に違うように感じる。
カナスレにとって1ターン1ターンは同じ重み。
しかし、エルフにとってはコンボしないターンは軽く、仕掛けるターンが非常に重要になってくる。
まだ「その時」ではない高野の第3ターンの動きは、2枚目の《エルフの幻想家/Elvish
Visionary(M13)》。
井川は「その時」を遠ざけるために、これを《目くらまし/Daze(NEM)》する。
しかし、続くターンで高野は仕掛けようとする。
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman(RTR)》を繰り出し、さらに《ワイアウッドの共生虫/Wirewood
Symbiote(SCG)》。
井川は《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote(SCG)》にスタックで《稲妻/Lightning
Bolt(M11)》。
さらに自らのターン、《エルフの幻想家/Elvish
Visionary(M13)》と《ワイアウッドの共生虫/Wirewood
Symbiote(SCG)》をまとめて《二股の稲妻/Forked
Bolt(ROE)》。
戦場がカラになってしまった高野。しかも《昆虫の逸脱者/Insectile
Aberration(ISD)》にライフを削られているため、残りターンは少ない。
さらに、《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(KTK)》も《もみ消し/Stifle(CNS)》され、マナを伸ばすことも許されなかった。
それでも、前回のBMOを制したプレイヤー。制したデッキ。
帰ってきたターンに《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel(EVE)》《遺産のドルイド/Heritage
Druid(MOR)》《樺の知識のレインジャー/Birchlore
Rangers(ONS)》からの《垣間見る自然/Glimpse
of Nature(CHK)》。
これはさすがに井川の《Force of Will(ALL)》で打ち消されるが、2枚の《ワイアウッドの共生虫/Wirewood
Symbiote(SCG)》を送り込むことに成功する。
なんとかひねり出したマナから《自然の秩序/Natural
Order(POR)》を唱えようとするが、そこに突き刺さる2枚目の《Force
of Will(ALL)》。
井川1-0高野
Game2
先手を選択した高野が力強くキープしたのに対し、どうにも土地ばかりが指先に吸い付いてくるらしい井川はダブルマリガン。
Game1と同じく、《死儀礼のシャーマン/Deathrite
Shaman(RTR)》スタートの高野に対し、有効牌の少ない井川は《思案/Ponder(M12)》。
覗いた未来も芳しくなく、シャッフルを選択する。
対して高野は《エルフの幻想家/Elvish Visionary(M13)》《樺の知識のレインジャー/Birchlore
Rangers(ONS)》から《ワイアウッドの共生虫/Wirewood
Symbiote(SCG)》を。
これだけは通せない井川は、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion
Clique(MOR)》を除外しつつの《Force
of Will(ALL)》で打ち消す。
アドバンテージを失い続けている井川に対し、高野は《緑の太陽の頂点/Green
Sun's Zenith(MBS)》から《ワイアウッドの共生虫/Wirewood
Symbiote(SCG)》を呼び出すと、《エルフの幻想家/Elvish
Visionary(M13)》を戻し、アドバンテージを稼ぎ始める。
井川はそれでもサイドカードである《墓掘りの檻/Grafdigger's
Cage(DKA)》を置き、コンボを止めようとするのだが、《再利用の賢者/Reclamation
Sage(M15)》がこれを許さない。
さらに《漁る軟泥/Scavenging Ooze》を追加した高野はビートダウンを開始する。
井川も《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》を呼び出すのだが《死儀礼のシャーマン/Deathrite
Shaman(RTR)》に墓地を攻められ…「もう無理」とカードを片づけた。
井川1-1高野
Game3
再びの先手を手にした井川。互いにマリガンも無く最終戦を迎えた。
井川は《Tropical Island(2ED)》を置くだけでターンを返し、後手の高野は《新緑の地下墓地/Verdant
Catacombs(ZEN)》から少し悩んで《森/Forest(4ED)》をセット。
そして《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel(EVE)》を戦場へ。
井川は《タルモゴイフ》を呼び出し、高野の《クウィリーオン・レインジャー/Quirion
Ranger(VIS)》を《目くらまし/Daze(NEM)》。
さらに、《思案/Ponder(M12)》しつつ《水没/Submerge(NEM)》で《イラクサの歩哨/Nettle
Sentinel(EVE)》をトップに。
高野、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman(RTR)》を送り出すのだが、ここで土地が1枚で止まってしまったことを露見する。
好機と見た井川は2枚目の《水没/Submerge(NEM)》で《死儀礼のシャーマン/Deathrite
Shaman(RTR)》を戻して時間を稼ぐ。
前ターンと同じ動きを繰り返さざるを得ない高野に対して、今度は《稲妻/Lightning
Bolt(M11)》で《死儀礼のシャーマン/Deathrite
Shaman(RTR)》を焼きつつ、《秘密を掘り下げる者/Delver
of Secrets(ISD)》。
これでめくれたのがなんと、3枚目の《水没/Submerge(NEM)》。
さすがに打つ手のないことを知った高野は、肩を落とした。
井川2-1高野
井川 良彦、前回王者を倒し準決勝進出!
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