By Daisuke Kawasaki
第二回目の開催となったBigMagicOpen。
この記念すべき第1ラウンドでフィーチャー席へと呼ばれたのは、BigMagic所属プロの市川
ユウキだ。昨シーズンは2連続でプロツアートップ8を果たし、今、日本でもっとも注目されているプロプレイヤーである。
そんな市川だが、リアルのマジックにおいて注目され始めたキッカケは、レガシーの大会であった。
今大会に持ち込んだデッキも、その時のカナディアンスレッショルド。最近では《宝船の巡航/Treasure
Cruise》の登場で形見の狭い思いをしている《敏捷なマングース/Nimble
Mongoose》が残されたレシピが印象的だ。
市川 「まぁ、3枚引くより、3点殴った方が強いでしょ」
と、《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》を残した理由を語る市川ではあるが、実際の所「最近まったくレガシーやってないんで、慣れたデッキで」という理由もあるようだ。
対するのは原沢 貴志が使用するのは青白に赤をタッチした奇跡デッキ。環境を代表する強デッキ。相性はカナディアンスレッショルドの構成次第だが、市川は対奇跡シフトをしっかりと取った構成にしてきたということだ。
果たして、《宝船の巡航/Treasure Cruise》に気圧されつつある《敏捷なマングース/Nimble
Mongoose》はその見せ場を作ることはできるのか。
Game 1
ダイスロールで先手は市川。
土地が2枚に、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》《呪文貫き/Spell
Pierce》《呪文嵌め/Spell Snare》、さらに《稲妻/Lightning
Bolt》が2枚とスペルの質は申し分が無いが、赤マナがない初手をキープ。対する原沢はマリガンをする。
そして、続く6枚の初手にも土地が1枚の上に、軽量のドロースペルも無かったため、マリガンを余儀なくされた原沢。2枚の《渦まく知識/Brainstorm》と2枚の《剣を鍬に/Swords
to Plowshares》とフェッチランドという手札をキープする。
市川は1ターン目に《秘密を掘り下げる者/Delver of
Secrets》をプレイ。続くターンに《目くらまし/Daze》をめくり、すぐに変身させる。土地が少ない原沢にとって厳しいカードが公開された状態となったが、なんとか2枚目、そして3枚目の土地を続けて引き当てる。
《目くらまし/Daze》をケアするマナを確保した原沢は《師範の占い独楽/Sensei's
Divining Top》をプレイ。だが、これは《呪文貫き/Spell
Pierce》で市川はカウンターする。さらに、市川のターンエンドに原沢がフェッチランドを残してプレイした《渦まく知識/Brainstorm》に対して《目くらまし/Daze》をプレイする。対応して起動されるフェッチへはしっかりと《もみ消し/Stifle》をぶつける。
この市川のビッグプレイによって、原沢の選択肢がかなり狭まってしまう。
《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》を《紅蓮破/Pyroblast》で対処した原沢、続いて市川の送り出した《タルモゴイフ/Tarmogoyf》も《剣を鍬に/Swords
to Plowshares》で対処するものの、3発目の弾丸である《敏捷なマングース/Nimble
Mongoose》への対処法がない。
そして、《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》をプレイした返しのターンエンド、市川はライフが9の原沢を対象に《稲妻/Lightning
Bolt》をプレイすることを宣言。これに対応して《渦まく知識/Brainstorm》をプレイする原沢だが、その3枚に残る2ターンのクロックを凌ぎための回答は用意されていないのだった。
市川 1-0 原沢
Game 2
今度は青マナがないものの、序盤の展開とカウンター、相手への妨害手段を兼ね備えた手札をキープする市川。対する原沢は土地が5枚とマナフラッド気味だが《渦まく知識/Brainstorm》のある初手をキープ。
市川は《目くらまし/Daze》をケアすべく1マナ残した状態で2ターンにわたって《秘密を掘り下げる者/Delver
of Secrets》をプレイ。これは変身しないものの、順当に土地を引き当てていく。対して、原沢は3枚並べたフェッチランドのうち1枚を使用して《渦まく知識/Brainstorm》をプレイする。
そして、ここで積み込んだ《終末/Terminus》を奇跡でプレイ。このスタックでフェッチランドの起動を宣言し、市川の様子を見る原沢だが、市川は落ち着いてフェッチの起動を許可した後に、奇跡の誘発にたいして《もみ消し/Stifle》。この《もみ消し/Stifle》は《紅蓮破/Pyroblast》でカウンターした原沢だが、《終末/Terminus》自体は《Force
of Will》される。さらに唯一の赤マナ源である《Volcanic
Island》も《不毛の大地/Wasteland》で破壊されてしまう。
《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》をプレイし、ターンを返す原沢。市川はターン開始時の《秘密を掘り下げる者/Delver
of Secrets》の能力を1体目対応した後に、変身条件を満たさなかったためにフェッチを起動し、緑マナを確保。2体目の誘発も起動しなかったのだが、3マナをフルマナタップ《硫黄の渦/Sulfuric
Vortex》をプレイする。
このフルタップの隙に《師範の占い独楽/Sensei's Divining
Top》で発見した《終末/Terminus》を奇跡でプレイし2体の《秘密を掘り下げる者/Delver
of Secrets》を対処する原沢。さらに《議会の採決/Council's
Judgment》で《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》を対処したい所なのだが……市川は《敏捷なマングース/Nimble
Mongoose》を追加する。
原沢のデッキの除去が追放や山札の下への除去が中心であるため、開始から数ターンたっているものの、スレッショルドを達成することができていない市川。ここで原沢は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion
Clique》をプレイし、市川の手札が《霧深い雨林/Misty
Rainforest》《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》《目くらまし/Daze》の3枚であることを確認すると、そのままの状態をキープさせ、《敏捷なマングース/Nimble
Mongoose》と相打ちさせる。
ここで《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》が墓地に行き、《霧深い雨林/Misty
Rainforest》をセットしたことで、スレッショルドを達成した市川。この3/3被覆に対応できるカードを求めて、《師範の占い独楽/Sensei's
Divining Top》を回し続ける原沢だったが、自身のライフが残り2になったところで土地を片付けたのだった。
市川 2-0 原沢
《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》がまだまだ現役のカードであること見せつけた市川。果たしてこのまま《敏捷なマングース/Nimble
Mongoose》のパワーでスイスラウンドを駆け抜けることができるのか
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